Design_T.Sasaya Interviewer_M.Nishimiya Photography_M.Yoshimura & K.Horikoshi
"一緒に暮らして良かったのは、便利さとおかずが増えたこと"
築35年のS造3階建てを二世帯住宅にリフォームしたI邸。
実際の住み心地や、二世帯で暮らすうえでの本音の部分を聞かせていただきました。
玄関 ×1つの「半・独立スタイル」
間取りの特徴と、二世帯リフォームの背景
I邸は、奥さまのご実家をリフォームした3階建ての二世帯住宅です。1階は共用の趣味スペースで、2階はIさん夫妻、3階にお母さま。それぞれの世帯にキッチンや水廻りがある一方、1つの玄関とホール、階段を二世帯で共有する「半・独立型」の間取りです。きっかけは、お父さまが亡くなり、一人暮らしのお母さまを心配していた奥さまに、「一緒に住んだら?」とご主人が提案したこと。そんな背景や親子関係が形になった住まいです。
「スリッパがあるから外出中だな」とか、
何気ないことで、お互いを感じられるんです
半・独立型 二世帯リフォームのメリット
玄関等を共有する半・独立型の二世帯住宅のメリットは、親子が自然とお互いの存在を感じ合えること。Iさんの場合、「行ってきます」や「ただいま」という声で、お互いの所在はもちろん、体調や機嫌もわかるそうです。また、「母のスリッパが玄関にあれば、外出していることも、出かけるほど元気なこともわかります」とIさん夫妻。たいてい帰宅が最後になるご主人は、スリッパがあれば玄関ドアガードをしないでおくという習慣もできたそうです。
帰宅が遅い日は、猫の世話を頼んだり、
母の重たい荷物を運んだり、
もちつもたれつのイイ関係です
もちつもたれつで、助け合う暮らし
もうひとつのメリットは、気軽に助け合えること。例えばIさんのお母さまは「旅行のとき、荷物の上げ下ろしをしてもらえるので大助かりです」と。 Iさん夫妻も、飼っている猫の面倒を頼めるので安心して旅行できるそう。また「早起きの母は、朝が忙しい私たちのためにゴミを出しておいてくれるんです」と奥さま。ちょっと困ったことでも、もちつもたれつの関係でスンナリ解決できるので、それぞれの暮らしに快適さや自由さが広がります。
親子で「胃袋の時間」が違っているから
結局、お互いの生活が独立したものになる
完全独立型でなくても、プライバシーは保てる
半・独立型で懸念される多くは、それぞれのプライバシーが確保されるかでしょう。しかしI邸では、週に10分も顔を合わせないときもあるとか。
その理由は「胃袋の時間が違う」と奥さま。食事のサイクルが違うと生活のリズム全体もずれて、自然とそれぞれのペースで暮らすことになるのだそうです。その分、時間が合うとお茶を飲みながら談笑の時間に。
「食事が母よりも遅い時間なので、美味しいおかずや食材をもらえるのもメリットかな」。
実現が難しそうな相談ほど、楽しそう!?
自分ごとのように考えてくれるのが嬉しかったです
クラフトに決めた理由
リフォームをした感想をお伺いすると「主人はアパレルの仕事柄か、素材やデザインにとてもこだわる人なんです。そんな主人が、デザイナーの笹谷さんとお会いしてファンに。木の知識が豊富で、持ち物も私たちが好きなテイストのものばかり。最初のプラン提案までの間にいろいろと私たちの話を聞いてくれて、無理難題もうれしそうなんです。しかも自分ごとのようにアイデアや解決策をどんどん話してくれて、とても話しやすかったです」。
"心のリズムが同じで、暮らしのリズムは違う親子に"
「母も主人もおおらかで性格も似ていて、仲がいいんですよ」と奥さまが語るように、親子の心の距離がとても近いIさんご家族。その一方で、生活時間が異なり、動線が重ならないなど暮らしのリズムが異なります。 半・独立型の間取りは、そんな親子関係を持つご家族に最適なスタイルでしょう。またご家族3人が、本音からいろいろな思いをぶつけてくれたことも、Iさんたちにぴったりな住まいを実現できた要因と言えるでしょう。