ワッフルスラブ

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今日の現場は、なかなかお目にかかることのない変わった天井の住まいでした。
写真のとおり、お菓子のワッフルのような形をしています。
こちらは「ワッフルスラブ工法」と言って、凹凸のある発泡スチロールのパネルを敷き、
上から鉄筋を組み、格子状の梁を設けてコンクリートスラブをつくる工法です。
一般的な200mmほどの厚さのスラブだと、約4〜5mの間隔で柱や梁が必要になりますが、
こちらのワッフルスラブなら、格子状の梁がスラブのたわみを防ぐため
同じスラブ厚でも柱や梁なしで最大32畳の大空間を設けることができると言われています。
それに加えて、断熱性や遮音性があるといったメリットも。

解体前に既存の図面を見て、こちらのスラブがあることが判明しました。
クラフトのデザイナーがこの面白い機会を活かさないわけがありません。
さっそくこちらのワッフルスラブを活かしたデザインを考えたようで、
現場監督の私にも楽しそうに計画を話してくれました。
しかし、後から聞くところによると『本当に残っているのか』『デザインとして使えるのか』と、
解体して目視するまでちょっと心配だったとか。
実際に解体してみて、予定通りに天井を活かせることがわかってホッとしたものの、
想定よりもズレていた格子を修正し、たくさんの露出した電気配線を整理する必要がありました。
ここで、私たちの現場監督の出番。
大工さんには格子が左右対称になるように補整してもらい、
電気屋さんには電気配線を整理してもらえるように指示を出しました。
デザインとして十分な姿になったところで、職人さんがシックな色合いで塗装。
空間の主役になりそうな存在感で、とてもカッコよく仕上がっています。
お客さまにもきっとご満足いただけると思います。

未知のことにチャレンジするとなると考える時間や工事の手間がかかるため
つい避けて手慣れた方法を選んでしまいがちです。
しかし、それが実現すれば今回のように記憶に残る空間ができ上がります。
私たち現場も、こういったチャレンジ精神を忘れないようにしたいと思いました。

2014 1/8 3:21 Posted by NT邸