床の防音

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マンションの近隣トラブルに多いのは、上階の生活音。
深夜の帰宅や掃除機、小さな子供の走りまわる音など、
静かな暮らしを求めている方にとっては、大きな苦痛です。
そんなトラブルを避けるため、マンションは管理組合によって
防音規定が定められています。

クラフトでリフォームするお客さまは、
デザイン性の高いフローリングをご希望される場合が多いのですが
フローリングは音が響きやすいことから、
規定が厳しいヴィンテージマンションやタワーマンションでは
使用禁止にしている例もあるほどです。

基準は、遮音等級LL -45かLL -40。
数字が小さい方が聞こえにくく、たとえば上階の人が物を落とした場合
遮音等級LL -45では物音が小さく聞こえ、
LL -40ではほとんど聞こえない程度です。
こちらのマンションの防音規定はLL-40だったため、
防音効果の高い置き床工法を採用しました。
置き床工法は、乾式二重床とも呼ばれており、全体的に床を上げるため
天井高が少し高くなってしまいますが、床スラブに接したゴムが音を吸収し、
下階へ響くのを防いでくれます。
また、床スラブと置き床の間にできた空間に給水やガスの管、
配線などのスペースを確保できるというメリットも。
防音方法はいくつもありますが、防音規定やご希望の床材によって
デザイナーがご提案しています。

ちなみに、カーペットや畳はそれ自体が音を吸収するため
防音規定の対象から外れますし、1階なら階下に住人がいないため
こちらも対象外です。
階下への配慮がいらないという意味では、
1階に暮らすことにも結構なメリットがありますね。

完成した置き床の上に、今度は温水式床暖房を設置。
通常、マンションでは施工が簡単な電気式の床暖房を採用することが多いのですが、
今回は温水式を導入しました。
今日はフローリング屋さんが現場に入り、
床暖房対応のフローリングを張っていく予定です。

防音対策と床暖房で、床の性能が格段にアップして
とても過ごしやすくなると思います。

2014 3/27 3:19 Posted by NJ邸

ユニットバス

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今回は、いつものユニットバスの施工よりも少し手間がかかりました。
と言うのは、通常ならユニットバスの施工後に浴室の壁を造作し、
洗面室の洗面台を採寸し、発注します。
約2週間後に納品され、設置するという流れになるのですが
先日の雪の影響によって洗面台の納品が1ヶ月近く遅れているため
洗面台を設置できず、先に、ユニットバスを造作することとなりました。
もちろん、空間の寸法をきちんと計算したうえでサイズを決めているので、
予定通りにぴったりと納まることが当然でもあるのですが、
今回設定した洗面台の長さは、洗面室に設置可能なぎりぎりのサイズ。

既存の壁が歪んでいたり、傾斜している場合は
それを補整するための余白が必要となり、寸法が狂ってしまいます。
壁の位置が想定より例え1㎝でも洗面室側にズレ込んでしまうだけで
洗面台が納まりきらなくなってしまう可能性があります。

つまり、限られた空間に最大限の洗面台とユニットバスを設置するために
私たちは数㎜単位にこだわりながら正確に発注と工事を
行う必要がありました。
洗面台の納品を待つことができれば、話は早いのですが
それでは完成が遅れ、お施主さまへご迷惑がかかってしまうため、
やはり納期待ちの間にも周囲の工事を進めなければなりません。

洗面台の納品が遅れただけで、とても神経を使いながら工事を行うことに
なってしまいました。

ユニットバスの施工前に、ミストサウナ用の配管も通しておきます。
こちらの住まいは、温水式床暖房を導入する予定ですが
同じボイラーを使って浴室を暖められるようにしました。
リフォームでは、こうした二次活用的な工夫をすることで
スペースの無駄をなくしたり、コストダウンを図ったりすることも
しばしばあります。

今回のように、限られた空間に無駄をつくらず、広さを確保することは、
リフォーム特有の課題ですが、
こうした緻密な工事を求められることによって、
技術の正確さや管理能力が磨かれているような気がします。

2014 3/20 3:16 Posted by NJ邸