スケルトンリフォームの解体

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木造住宅をスケルトンリフォームするメリットは、
構造体をすべて見直し、問題があれば改修して、建物の寿命を延ばせることにあります。
一度、壁や床をすべて剥がし、表しになった柱や梁を見ながら、経年で劣化していないかどうか、
水平・垂直を正確に保っているかをじっくりと確認することができるからです。

ついでにお話しておくと、
1981年に改正された「新耐震基準」以前に建てられた住まいは、耐震性に不安があるため、
状況によっては床を抜いて基礎の補強をしなければならなくなることがあります。
これは大掛かりな工事になってしまいますが、
リフォームのタイミングで構造を見直すことができれば新築に近い状態となり、
一般的に約30年と言われている木造住宅の寿命よりも、はるかに延ばすことができます。
世代を超えて長く暮らせる住まいの秘訣は、きちんとした耐震と、湿気などによる劣化対策、
そして暮らし始めてからのメンテナンスに尽きるのではないでしょうか。
ここ数年で注目されているヴィンテージマンションのように古くても上質なものや、
アンティーク家具のように時を重ねるほどに魅力が増すものは、
新築と同等かそれ以上の価値が認められるべきだと私たちは思っています。

日本の中古住宅市場は、ここ数年で急激に成長しています。
いずれは、リフォームによってきちんと管理された住宅であれば、
海外のように古くても、新築と同じくらいの価値観で取引されるようになるのではないでしょうか。
古き良きものの価値をきちんと認めてあげたい。
そう思って、リフォームの仕事を続けています。

こちらのお宅は基礎強度には問題がなく、補強の必要はありませんでしたが、
間取り変更ための新たな柱が必要となり、基礎を増やすことにしました。
このようなことができるのも、スケルトンリフォームだからこそですね。

2013 7/22 4:30 Posted by WI邸