アンカーボルト

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「お父さんって、我が家の屋台骨だよね」とか、
「いやー、君はクラフトの屋台骨だよ」とか言われることがあったら
恥ずかしいような、うれしいような気分になりますね。

そもそも、屋台骨って何のことだかご存知ですか?
人に対しては、組織を支える人という意味ですが、
建築では、家の構造のことを指します。
この屋台骨が少なかったり、頼りなかったりすると、
組織も家も、ちょっとの揺れで傾いてしまうのです。

さて、本日は、住まいの柱を増やすため、基礎と土台の作業を行いました。
ここでは、アンカーボルトが基礎と土台をつなぐ要となります。
木造住宅の基礎は、コンクリートにアンカーボルトが埋め込まれ、
それが突き出すように成形されています。
さらに、その上にアンカーボルトの孔のサイズにくり抜いた木の土台が重ねられ、
固定されているのです。

木造住宅のこちらの住まいにも、こういった工法がとられていましたが、
古い建物だったためアンカーボルトの数が足りず、これ以上の柱を増やせない状態でした。
(古い家では接合する金物が少なかったり、弱かったりすることが多々あります)
木材同士なら、上から金具で固定することもできそうですが、
基礎部分がコンクリートになっているため、それは難しい状態です。

一般的に、このような場合にとる方法が「あと施工アンカー」。
成形前ではなく、固まった状態のコンクリートに孔をあけ、
そこにボルトなどを固定するため、このように呼ばれることがあります。

まずは、ドリルで土台の木材と、基礎のコンクリートに孔を開け、
その孔の中にケミカルアンカーを注入。
ケミカルアンカーは、コンクリートとアンカーボルトを
とてつもなく強力な接着力で固定してくれます。
さらに、耐アルカリ性に優れているほか、振動や薬品にも強いため、
耐震補強などにも使用されています。

最後に上部からアンカーボルトを入れて、完成。

普段、なかなか目に触れることはないと思いますが
ここがしっかりしていなければ、耐久性や耐震性のない住まいになってしまいます。
デザインや仕様より、まずは構造体の見直しを優先しなければなりません。
とくに築年数が古い住まいは、基礎が老朽化している場合がありますので
問題があれば早急に対処したほうがよいでしょう。

2013 8/21 4:32 Posted by WI邸