木造住宅の寿命

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アメリカやイギリス、フランス、ドイツといった諸外国に比べて
日本の住宅の寿命は、極端に短いことをご存知でしょうか。
一般的には30年と言われており、
もし仮に90歳まで生きるとしたら、3回も立て直さなければならない計算です。
家を一軒建てるコストから考えると、一生に一度で十分ですし、
ご両親から譲り受けることがあれば
そのまま思い出を残しながら使ってあげるのが
お互いにとってベストなのでは、と思います。

そのため、クラフトではリフォームで住まいの寿命を伸ばす工事を行っています。

今回リフォームする住まいは、築年数の古い、木造2階建て。
大幅な間取り変更をともなうリフォームのため、一旦解体し、
骨組みだけを残したスケルトン状態になっています。

大空間をつくるプランにより、柱を撤去しましたが、
このままでは2階を支えることができなくなってしまいます。
そこで、残った柱を2本の大梁で挟むようにして強度を高めることに。
どっしりとした2本の梁のおかげで、少ない柱でもしっかりと2階の床を支えられるようになりました。

このような木造の在来工法は、古くから日本で採用されてきた歴史のある工法で、
代々の職人さんたちによって、さまざまな技術や工夫、智恵が生み出されてきました。
2×4工法のように一辺倒のやり方ではなく、「これがダメなら、こっちでやってよう」と
何通りの方法があるところがおもしろいところです。
これらの伝統技術に加えて、科学的な視点から安全性を高めているのが現在のやり方。

しかし、昔に建てられた木造住宅は、接合部分の金物の強度が弱いこともしばしばです。
実際、こちらの住まいもそうでした。

そこで接合部分に強靭な金物を取り付けて、強度を高めることに。
スケルトン状態にしたタイミングで構造補強を行うことで
間取りやデザインといった見た目だけでなく、
構造などの中身も新築のように生まれ変わりました。

木造住宅でもシロアリやカビなどのメンテナンスさえ行えば、
これから先50年以上暮らしていくことだって可能です。

住まいの平均寿命を延ばして、一生涯暮らしていただき、
いずれは子供たちに受け継がれるような住まいをつくりたいと思っています。

2013 9/13 4:33 Posted by WI邸