レベラー

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小春日和が気持ちのよい日。
こうした明るい日差しは、レベラー施工にもってこいです。
レベルとは、水平という意味です。
水のように流動性のあるレベラーを床スラブに流し、表面張力で平らに
する作業。
なぜこのような作業が必要かと言うと、
フローリングや畳の下のスラブには少しの凹凸があるため
必ずしもキレイな水平になっていないからです。
しかし、少しでも凹凸があるとドアが開きにくかったり、
床板が割れてしまったりと、暮らしに支障が出てきます。
水平にする方法としては主に、乾式の「二重床」と、湿式の「レベラー」
があります。
「二重床」は「置き床システム」とも呼ばれ、
クッションゴムのついた支持脚ボルトをスラブの上に置いて
フローリングの下地となるパネルを支える工法です。
支持脚ボルトを調節して凹凸をなくし、床を上げながら水平を出していく。
これならスラブと床の間に空間ができるため防音効果もありますし、
ここに配管を通し、水まわりを大きく移動することもできます。
ただし、床が上がった分だけ天井高が低くなってしまうことがネックです。

最近では天井高にこだわるお施主さまもいらっしゃいますから、
「床をあまり上げたくない」というときはレベラーで調節します。
非常にさらりとしたレベラーをスラブに流せば、自然に水平になります。
床は10〜30mmしか上がらず、高い天井高を確保できることが最大のメリット。
さらに、玄関などとの段差ができにくく、住まい全体をフラットな印象に見せることもできます。
レベラー施工前に、現場で粉状のレベラー材に水を混ぜて堅さを調整していくわけですが、
濃すぎると思うように流れてくれないし、薄すぎると固まりにくいため、
規定にしたがって正確に割ることがポイントになります。

しかも「ただ流せばいい」というわけでもありません。
スラブの凹凸が激しく、レベラーだけでは調整できない場合、
レベラーの前にモルタルで補修する必要がありますし、乾くまではその空間の工事が
できなくなるため、乾式二重床と同じくらい大変な作業です。
どちらが優れているか、というのは明言できませんが、その住まいの状況や
お施主さまが求める空間や性能によって選択しています。

写真は、もともと和室だった空間を洋室につくり替えるため
畳を剥がしてレベラー材を流し、手作業でそっとならしながら、
水平を出しているところです。
完全に乾いて水平かどうかを確認できたら、カーペットを敷いていきます。

2014 2/7 2:59 Posted by MG邸