マンションの管理規約によっては、
階下に音が響きやすいフローリングの使用が禁止されています。
特に、タワーマンションやヴィンテージマンションはこのようなケースが多く、
フローリングやタイルを使用したい方は、
マンションの購入前に、きちんと管理組合へ確認したほうがよいでしょう。
こちらのお住まいもその1つで、フローリングの使用が禁止されていました。
そこで、水まわり以外の生活スペースは、廊下を含めて
カーペットで統一することに。
しかし、住まいのどこかにフローリングを使いたい、と考えていた
お施主さまは、洗面室に木目調のタイルを貼ることをご希望。
そこで、乱貼りのように目地をズラして貼っていくことで
洗面室のような限られた空間にリズムを生み出しました。
白い壁と天井でまとめた空間に、タイルの木目模様や、
やさしい色合いが引き立ち、普通の無地のタイルよりもあたたかさを
感じられるように。
これから白い目地を入れるため、よりさわやかな印象になるはずです。
もちろん水掃けがよく、フローリングに比べると掃除が手軽なこともメリット。
最近では、さまざまなデザインや質感のタイルが販売されおり、
現場の私たちが「ほおー」と唸ってしまうような、珍しい商品も少なくありません。
初めて使う商品は、デザイナーと私たち施工担当がしっかりと打合せを行い、
下地や割付けなどを慎重に検討していきます。
最近、クラフトの施工現場で使うことが多くなっているのは、
歪んだ表面がレトロなサブウェイタイルや、アンティーク煉瓦のタイル、
そして色落ちしたテラコッタタイルなど。
“リフォーム”や“リノベーション”が定着し、ラフなテイストを好むお客さまが増えたため、
それを演出できるこのようなタイルを空間のアクセントとして
使用するケースが多くなりました。
その時に大切にしたいのは、タイルの貼り方、目地の色、割り付け。
例えば馬目地と芋目地では印象が変わりますし、
目地の色によってはタイルのインパクトが強くなったり、弱くなったり。
アンティーク煉瓦のように、ひとつひとつの色味や欠け方が異なる場合は
配色バランスを考える必要もあります。
デザイナーから貼り方の指示がくる場合もあれば、
現場でタイル職人さんと話し合いながら決めていく場合も。
同じタイルでも貼り方・目地の種類によって壁や床の表情が変わってくるため
どれを使うかよりも、“どう施工するか”が大切です。