合わせ鉄梁で補強

現在、木造2階建てのお住まいをリフォームしています。

お施主さまより「リビングをもっと広く使いたい」というご要望をいただき、
既存の2カ所の間仕切り壁を撤去することになりました。
壁の内部の柱も撤去することになり、
梁を入れ替えて、柱を飛ばすことに。

既存の梁の下に、木材の梁を入れるという方法もありましたが
今回はそれほど天井高が取れないため、不可能でした。

そこで、合わせ鉄梁での補強を計画。
H形鋼で小梁をかき込みながら、既存の柱を両側から合わせ鉄梁で挟みます。
これなら、木の補強に比べて梁成(梁の高さ)を低く抑えられるため、
天井高にも影響しません。

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高さ30cm、長さは450cm。
H形鋼は、木材よりもかなりの重量になるため、
5~6人で搬入するという大がかりな作業になりました。

H形鋼をボルトでしっかりと固定した後、挟んだ柱をカットします。
これで、ご希望の広々としたLDKが可能になるはずです。
これから床・壁・天井に仕上げ材を張っていきます。

「空間を広くしたい」というリフォームのご希望をいただいた時、
今回のように鉄骨の合わせ鉄梁で補強する方法や
既存の木梁に合わせて木で補強する方法などがあります。

どの方法でご希望を実現するか。
それを、既存の状態や安全性、経済性から探っていくことが
私たち現場監督の仕事です。

クラフトのデザイナーから「こんな空間にしたいんだけど」と相談を受け、
実現するための方法を真剣に考えていく作業は大変ですが、
こうして無事に終わると、かなりの充実感があります。

2015 6/30 9:00 Posted by SZ邸