素材は何が良いでしょうか?

みなさま新しい家をつくることになった時には、
こんな家にしたい、あんな家に住みたいと夢が膨らむと思います。

今回私が担当したお客様も、インテリアがとてもお好きで
いろいろとご自身でコーディネートを楽しまれているお施主様でした。

お会いする前に、お客様のブログを見せて頂いたのですが、
そこには10年間、海外を転々としたそれぞれの家の記録や、
季節ごとのインテリアコーディネート、ご友人との食事会のテーブルコーディネートなど、
お施主様の想いが溢れるインテリアが広がっておりました。

ご自身で蚤の市に出掛けて購入された貴重な品々や、
想いの詰まった絵画など、インテリア小物も多数お持ちで、
楽しまれながら日々の暮らしをお過ごしになっているのが伝わってくるブログでした。

お打合せが始まると早速、新しい家では玄関からリビングダイニングの空間で、
和の要素を取り入れた『和モダン』の暮らしがしたいとご要望をいただきました。
ぜひ『大谷石』と『組子』を使いたいというご希望でした。

その後打合せが進むにつれて、他の部屋のコンセプトも決まり、
キッチンは北欧テイスト『今まで集めた北欧グッズを飾る場所』
トイレはシックな印象に『大人のためのかっこいい空間』
主寝室はクラシックに『今までのヨーロピアンな雰囲気を味わう場所』
セカンドルームは書斎の落ち着いた雰囲気『ご主人とっておきの場所に』と
お客様の熱いインテリア愛に突き動かされ、私もコンセプトに合う素材を探していきます。

後日各メーカーから届く大量のサンプルと格闘して、
事務所の一部屋を占領し、サンプルを並べ、各部屋ごとに素材を組み合わせていきます。

 

床の色、壁の色、建具の色、アクセントになる家具や棚の色など、
部屋ごとの組み合わせは大丈夫か、他の部屋とのバランスはどうか、慎重に吟味していきます。

仕様決め打合せの日、提案をお客様に喜んでいただけるかドキドキしながら、
集めたサンプルを見せて説明をしていきます。

ご希望だった大谷石と組子は廊下に取り入れました。
ご提案は『和モダンの廊下ギャラリー』です。

 

廊下の壁に大谷石を貼り、照明を動線ではなく壁(絵画)に当て
間接照明で足元を照らしました。

玄関を開けた時、廊下が印象的な空間になるように、
正面の建具を組子にし、組子を通して見える奥の日差しが引き立つように、
あえて廊下全体は黒いクロスで脇役になるように仕立てました。

お客様も目の前のサンプルとイマジネーションを働かせて、
私の提案を真剣に考えて下さいます。
サンプルをいくつか持ち帰り、仕様決めの打合せを重ねていきます。

その他の部屋もクロスやタイル、珪藻土をいくつも見比べて
お客様と二人、力を合わせてインテリアを組み立てていきます。
悩んだ組子は、白木ではなく着色をするためシノワズリ調に仕上げました。

全ての仕様が決まり、いよいよ工事が始まります。
お客様は、今度はウィンドウトリートメントのお打合せが始まります。

カーテンも決まり完成したお部屋に取付けられると、
お客様の雰囲気にぴったりな空間が出来上がり、
ご入居後は奥様の手により見事な飾り付けがされておりました。

お引渡し後に伺うと、お客様から「家が楽しくて、あまり外出をしなくなりました」
と大変うれしいお言葉を頂き、今回私も今までにない量のサンプルを集め、
検討を重ねましたが、その甲斐があったと、とてもうれしく思っております。

今はご提案を受け入れて下さり、同じように悩みながら
仕様を検討して頂いたこと、お客様にとても感謝しております。

今後はどのようなご依頼がくるのか楽しみに、
またサンプルと格闘する覚悟でお待ちしております。

※リフォームの詳しい実例が見たい方はこちら

設計部:渡部

2016 9/6 8:27 Posted by 素材・材料

Material ConneXion Tokyoで見つけた新素材

先月からはじまった〈TOKYO DESIGN WEEK 2015〉では
沢山のインテリアショップで新作発表会や展示会が開催されました。

仕事柄、家具屋さんやメーカーさんなどから招待状を頂くのですが、
今回は以前から気になっていた、
Material ConneXion Tokyoのショールームに出掛けてみました。

   

 

こちらはNY発祥の世界中にショールームを構える、
『マテリアル』だけを集めて展示しているショールームです。

マテリアルと言うと、なんのことやらという気がいたしますが、
プロダクトや建築を造るデザイナーたちが、
新しい素材を自ら時間をかけて模索することなく
世界中で日々生まれる新しい技術や素材を紹介し、
メーカーとデザイナーを引き合わせてくれるショールームです。

毎月約30種類くらいの新しい素材が世界中から追加され、
建築以外ですと、車や家電など様々な業界のデザイナーさんが足を運び、
こちらでデザインのアイディアをもらっていくそうです。

この素材の展示ブースは会員制の為、入ることが出来ないのですが、
イベントスペースは無料で開放されています。

現在(~12/25まで)開催されているのが、MATERIAL DESIGN EXHIBITION。
企業が持っている技術を活かし、
デザイナーが新しいプロダクトを造るとどんなものが出来上がるか
素材の可能性を引き出す展示会が行われています。

その中でも興味をそそられたのが
元々洋服の繊維の染色をしていた企業が
その技術を活かし、突き板(家具の仕上などに使用される材)を染色したもの。
 
写真の通り、きれいなグラデーションのこの突き板は
こちらの企業がもっていた漂白の技術が活かされて、
このような綺麗な発色、色彩になっています。

木の美しい木目は消えることなく仕上がり
自動車の内装に使われたことがあるそうです。

もうひとつ。こちらはメッシュで作られた色とりどりのトレイです。

 

日頃メッシュ素材は使わないな~と見ていましたが…
ハッとしました!網戸です!

普段すぐ近くにある網戸が、こんなにきれいな色になり形を変えることで、
果物を入れたり、鍵を置いたり自由自在に使うことができます。
アイディアひとつで、可能性がどんどん広がってゆきます。
こちらは近い将来、インテリアショップで見かけるようになるかもしれませんね。

なかなか捉えにくいマテリアル=素材のお話でしたが
いかがでしたでしょうか。

普段気に留めていなかったものが、
よく見てみると面白い可能性を秘めているかもしれません。
私もこれからもハッと驚くような素材に出会えるように
周りをきょろきょろしながら探しをしてみたいと思います。

今月は蚤の市やインテリアライフスタイル展など
まだまだイベントが盛りだくさんですので、
興味がわきましたら、どうぞ足を運ばれてみてください。

設計担当:渡部

2015 11/24 8:37 Posted by 素材・材料

自由が丘モデルルームのモルタル塗装

「クラフトさんの自由が丘モデルルームのオープンはまだでしょうか」
というお問合せをよくいただきます。
お待たせして申し訳ございません。
ただいま絶賛工事中ですので、もう少々お待ちください。

GW前のことになりますが、左官職人さんがやってきて
モデルルームの壁に塗るカラーモルタルの
試し塗りをしてくれました。

こちらのイメージパースの右側にあたる壁です。

設計部のデザイナーたちが集まって、試し塗りをする職人さんを見守ります。
たっぷりのモルタルをコテにとり、
下地にこってりと塗り重ねていく職人さん。

モルタルの表面をざらざらさせるか、つるっとさせるか。
亜麻色モルタルの上に重ねた白いモルタルをはっきりと残すか、やんわりと残すか。
コテの跡をどのくらい出すか。


話し合いながら完成イメージを固めていきました。

数日後、モルタルが乾いたら”研ぎ”の工程に入ります。

こちらのお写真は、黒いモルタルの上に白いモルタルを重ね、ならした状態です。

白は黒に溶け込んでしまいましたが、ところどころに白いモルタルの名残を発見。
乾いたモルタルの表面は、とてもザラザラしています。
これを、研磨によって滑らかにしていくのです。

使うのは、電動工具のディスクグラインダー。

最初の凹凸を荒研ぎするときは、腕にぐっと力を入れて
大きな圧力をかけているのだとか。

ディスクグラインダー先端に取り付けている研磨パットには、
小さく硬い突起がたくさん付いていました。
最初は硬くて目の粗い研磨パットを使って荒く研ぎ、
徐々にフラットな突起のパットに変えて、細かく仕上げていきます。

ここまで丁寧に?! というほど、何度も何度も研ぎ上げてやっと完成。

ちょっと離れてみると、ラフなモルタル。
しかし、見る角度によってコテ跡や光沢が浮かび、骨材が輝き、
繊細な印象を受けます。

そして先日、いよいよ自由が丘モデルルームのモルタル塗装の本番が行われました。
職人さんたちが数人で、数日かけての大掛かりな作業です。


黒いモルタルに白いモルタルを大胆に重ね、馴染ませていきます。

ちなみに、洗面台は人研ぎ仕上げです。

種石が混ざったモルタルを塗り、乾いたら人の手で研ぎ出していきます。
モルタルの厚さは、どの面も均等な30mm。
そのためキッチンの土台は塗装の厚さを想定し、
各寸法を30mmほど小さくつくっているそうです。

天板と流しの境目に施されたエッジや、
排水口へ続く穏やかな傾斜がとてもきれいで、
こんな些細なところにも職人さんの”技”を感じることができます。

スピードとコストが重視されがちな現代の住まいづくりのなかで
クラフトはその流れに抗うように、手間と時間をかけたモデルルームをつくろうとしています。

このモルタル塗装や人研ぎ仕上げは、そんなこだわりの一部です。
モデルルームにお越しの際は、ぜひ触れてみてください。

企画部 

2015 6/16 9:54 Posted by 施工,素材・材料