カンボジアの遺跡めぐり vol.1

乾季真っ只中で一年で一番暑い時期のカンボジアのお話です。

 

一度は訪れてみたいと思っていた世界遺産アンコール遺跡。
アンコールワットはもちろん、アンコールトム、タプローム、ベンメリアと、
大小合わせて600もある遺跡全体を遺跡群として、世界遺産に指定されています。

アンコール遺跡群のあるシェムリアップへの飛行機は、
日本からの直行便がないため東南アジアの主要都市を経由します。

シェムリアップの街自体はとても小さいですが、
世界遺産へアクセスするための観光客は皆この街に滞在します。
ホテルや飲食店が小さな街にぎゅっと詰まっていますが、高い建物がありません。
なんとアンコールワットより高い建物が建てられない決まりになっており
5階建て以上の建物が見当たりません。
大きなホテルもスーパーも5階までのため、余計に小さな街に感じるのかもしれません。

アンコール遺跡群は9世紀初めから15世紀前半にかけて栄えたクメール王国の残した遺跡です。
初期の遺跡ははヒンドゥー教の伝説や神々が描かれ、
仏教が栄えた後期には観世音菩薩などの仏教のモチーフが描かれています。

宗教の違いは建物を壊す事なく共存し、広大な遺跡群は残されました。
その中でも作られた年代や王の信仰などによってそれぞれの遺跡に特徴があります。
その後15世紀にタイに攻め落とされ人々は王都を捨て離れます。

19世紀前半にフランス人によって発見されるまで、忘れ去られた遺跡となり、
熱帯の植物に多い尽くされました。
その後内戦があり、一度は保全に向けて動いていましたが、
中断され、地雷などが埋められ、遺跡は破壊されました。
内戦が終わり、1992年に世界遺産に登録され、
フランス、アメリカ、日本、中国などの力を借りながら遺跡の修復は今も続いています。

 

カンボジアの国旗のモチーフにもなっているアンコールワット。
第一回廊には、とても綺麗なレリーフが壁一面にびっしりと残されています。
それぞれのレリーフには神話に基づいた物語があります。

 

また一番高い第三回路に登るためには急な階段をのぼります。
とても信じられませんが、つい最近まで、木製の階段の整備もなく、
(写真のような)遺跡の急な石段を登り降りしていたようです。
第三回廊内部に上がると、高い位置にあるため周りを見渡す事が出来ます。
アンコールワットが本当にジャングルの中にひっそりと立っている事が実感できました。

 

 

アンコール遺跡では一番大きな遺跡のアンコールトムは3キロ四方の正方形の形をしています。
こちらの有名な顔。バイヨンの塔のそれぞれ4面に顔があります。
驚いたことにカメラの顔認証はこの顔にもピピっとお知らせしてくれます。

 

バンデアイ・スレイは赤土の遺跡です。
アンコールワットより北東に40キロほど離れておりますが、一見の価値ありです。
この赤土は他の遺跡の石よりも柔らかいため、細かく彫りが深いのが特徴で
遺跡の全面にレリーフが施されています。

 

この遺跡が有名なのは、フランス人冒険家があまりに美しいため国外に持ち出そうとした
デバター(のちにとても美しいため東洋のモナリザと呼ばれる女官)のレリーフがあるためです。

このようにカンボジアには貴重な遺跡があちこちにあるため、膨大な数の写真になってしまいました。
ご紹介したのは、ほんの一部。次回につづきます。

設計担当:藤原

2016 7/14 11:58 Posted by 建築

旧朝倉家住宅は初夏を感じる家。

よく晴れてさわやかな風が吹く日の午後、
お散歩のついでに旧朝倉家住宅に寄ってみました。

代官山のヒルサイドテラスの裏側の古い日本家屋です。
派手さはないけれど情緒があり
豪華さはないけれど静寂さがただよっています。
 

竣工したのは1919年(大正8年)。
パリではヴェルサイユ条約が締結し、
インドではガンジーが非暴力運動をスタートし、
日本ではあんぱんまん作者のやなせたかしさんが誕生しました。
(…と聞くと、遠い昔ではないように感じますね)

第一次世界大戦後の世界的に不況な時代に
東京屈指の白米商人といわれた朝倉虎次郎氏が建てました。
材木店などの丁稚からはじめた完全な叩き上げの方で
そういう意味では、九州の炭坑王として財を築いた伊藤伝右衛門氏と同じ。
2人とも議員を務め、朝倉氏と伊藤氏はたったの10歳違いでした。

京都からはるはる宮大工を呼び寄せて、贅を尽くしたという伊藤邸。
「金はいくらでもつこうていいけん、贅沢にやらんね!」
と、伯爵令嬢だった25歳年下の柳原百蓮を嫁に迎えるにあたり
心をときめかせていた伊藤氏の姿が想像できます。

 
これに対し、東京の上質な文化に触れて来た朝倉氏のセンスは
材木店で一流の人々の家に出入りするうちに磨きがかかったと見え、
朝倉邸は伊藤伝右衛門邸ほど広くはなく、また豪華ではありませんが
粋で美しく、洗練された空間のように感じました。

 

朝倉氏は木材店で培った知識を活かし、自ら建材を選んだそうです。

杉の間には厳選された柾目が使われていました。
これだけの素材を集めるのは、当時ではとても大変なことだったそうです。

 

畳に座っていると、風が吹き込んできて気持ちがいい。
庭の木の新緑があざやかに畳に映るようです。
屋根の軒下まで、網代張りと洒落ていますね。

写真でお伝えするのはむずかしいのですが、
障子から注ぐ光がやわらかかったり、畳が脚の裏にやさしかったり、
木のしっとりとした匂いがしたりと、心地よさを感じます。

 

驚いたのは間取りです。
 
出典:hillsideterrace

中庭を中心にぐるぐると回りながら家中を巡ります。
ここで働く女中さんは、目がまわるように忙しかったのではないでしょうか。

庭の片隅には大きな蔵がありました。
 

外壁は、燃えにくい漆喰だそうです。
蔵の外壁にコート掛けのフックのようなものがあり、
通りかかった係の方に「あれはなんですか」と尋ねたところ
「火事になったら、そこに濡れたワラを置いて燃え移るのを防ぎます」
とのこと。

そんな大変なときに、誰がワラ係に?
炎に包まれながらも、主人のために必死でワラを重ねる使用人を想像してしまいました。
すばらしい忠誠心です。

一部公開されていない部屋がありましたが
仏間とか、応接間とか、女中部屋など今の部屋にはない部屋がたくさんあって
ここ100年で、日本の住まい方がずいぶん変わったことがわかります。

ちなみに、現在のヒルサイドテラスは朝倉家の土地で
現在のオーナーさんも、朝倉家の方だそうです。

 

大きな庭は深い緑に覆われていて、夏は涼しげです。
これからの季節、お散歩がてらでかけてみてはいかがでしょう。

企画部:佐藤(瀬)

2016 5/24 8:45 Posted by 建築

監督目線のディズニーランド

先日、家族でディズニーランドに行ってきました。

たまたまチケットを頂いたのですが、
娘は2歳と、3か月。
乗れるようなアトラクションはほとんどないため、
大きな公園のような感覚で行きました。

ぷらぷらと写真を撮りながら散歩をしていると、
私たちが日常生活で目にしないような
変わった建物、変わった納まりがてんこ盛りだということに気づきました。

   

ここはキャラクターのおうちですが、すごく歪んだ建物です!

この歪んだように見せるために、どのような小屋組みをしているのだろう…。
隅木の加工や、野地の納まりなど、気になる点ばかりで
ぜひ小屋組みを見てみたいものです。
そもそも木造?

   

こちらもキャラクターのおうちですが、曲がった柱の納まりが印象的です。
梁と柱の接点はどんな仕掛けをしているのだろう…。

遠くから写真を撮っていたので、どんな材質なのかは分かりませんが、
もしお施主さまから「リフォームで曲がった柱にしたい」なんて言われたら、
どのように加工し、どのように納めようか考えてしまいます。

はじめは純粋に「おもしろいなー」と眺めていたのですが
だんだん、現場監督のいつものクセが出てきてしまい、
気がつくと、難しい顔をして立ち止まっていました。

 

   

この屋根の曲げ方凄い!!
ただ雨仕舞大丈夫かな? なんて一人でボヤいていました。

   

   

こちらの建物やデッキは、いい具合に古い感じがでておりました。

   

クラフトの現場でも、レトロな感じや、
アンティークな雰囲気にするリフォームを行うことがあり、
こうした建物を見ていると勉強になります。
写真にはありませんが、縦樋などもレトロにエイジングされていました。

エリアごとにテーマが異なり、その場所ごとに雰囲気を出す重要な建物が存在。
そのエリアに足を踏み入れるとすぐに、
そのテーマに入り込める感覚がありました。

こんな事を考えている人は少ないかもしれませんが、
子供が小さいと、ガツガツとアトラクションで遊べないため、
いい角度から全体を見ることができて、とても楽しかったです。

施工担当:山田

2016 1/8 12:02 Posted by 建築