不思議なご縁

先日お引き渡しをした、とあるマンション物件のお客さまのお話です。
担当させて頂いた2つの物件が、偶然マンションの上下階(3階と4階)で
まったく同じ間取り、ということがありました。

同じマンションの別棟にお住まいのお客さま担当する
ということは何度かありましたが、
同じ位置の上下階を経験したのははじめてです。
それに加えてなんと、
マンション常駐の管理人さんがクラフトと古いつき合いのある元職人さん。
おまけ付きのご縁でした。

いつも工事現場に行く際に「社長は元気?」なんて話しかけてくれたり、
工事車両を駐車する際にも色々と便宜を図ってくれたりと、
すごくありがたかったです。

時期は少しずれて進行していきました。

冬の終わりに初めてお邪魔させて頂いたSさん。
お子さんの夏休みを利用して仮住まいをしたいとのご希望で、
打合せから竣工に至るまで、かなりタイトなスケジュールでした。

最初からグレージュ(グレーとベージュの中間色)がテーマで、
来客も多く”LDKには手を抜きたくない”というリクエストがあり、
妥協せずにひとつひとつ選んでいくこだわりのあるお客さまでした。

 
(プランニングのときに作成したイメージCGです)

遠方にご主人が単身赴任されていて、
小学生の2人のお子さんをかかえてお忙しい毎日をお過ごしの奥様でしたが、
根気強くリフォームに向き合って下さいました。

クローズだったキッチンをオープンにし
居室スペースをコンパクトに押さえてLDKを最大限まで広げました。
元々は梁の形状がやや目立った普通のお部屋でしたが、
間接照明を入れることにより梁にも存在意義が出て、
お部屋全体がすっきりとモダンな空間に変わりました。

少し間が空いて、4月にお会いさせて頂いたKさんのお宅は、
「天井や梁などを現しにして、スケルトンのイメージでシンプルに暮らしたい」
というご希望。

読書好きのご主人がこもるためのSOHOスペースや、
小さいお子さんのための小上がりスペースなどなど、
素材にこだわりながらプランニングしていきました。

 
(プランニングのときに作成したイメージCGです)

先に着工したSさん邸の解体後のお写真を、許可を得てKさんにご覧いただき、
躯体がどのような状態かも事前に把握することができましたし、
先行解体で得られる情報がわかった状態で計画できたため、
とてもスムーズなプランニングとなりました。

元は全く同じ空間だった2つのお宅が
異なる家族構成やリクエストでここまで違う空間に変わる、
という体験をさせていただきました。

Sさんのお宅はつい先日お引き渡し。
Kさんのお宅は目下工事中ですので、まだ写真はないのですが… 
CGの同じカットを見ていると不思議な気分です。

今また、こちらのマンションにお住まいの別のお客さまから
クラフトへリフォーム依頼を頂いているようです。
そちらは残念ながら私の担当ではありませんが、
またよいご縁があるといいなと願っております。

設計担当:鹿討

2015 9/15 9:35 Posted by デザイン・プランニング

力の流れ

先日、木造3階建の解体工事現場を訪れました。
何度も訪れた現場でしたが、いざ解体が進むと、
また違った見え方や発見があるものです。

現場は木造軸組工法、築30年弱のお宅です。
写真は、リフォームで必要がなくなる壁の仕上げや床材が
全て取り除かれたスケルトンの状態です。

見上げるとさまざまな部材が交わっており、
上から順に棟木→母屋→垂木→軒桁→柱→土台基礎になります。
これらは雨をしのぎ、雪の重みにも負けない屋根を支え、
強風にも耐える壁を支えています。
それら構造体の間を穿ったように見える窓も印象的です。

冗談みたいな話ですが、
むき出しの架構と床まで届くトップライトの光は
さながら中世の教会建築!


出典:TRIPHUNTER

どうでしょう。
解体現場と「ランスの大聖堂」がある意味でリンクしてきませんか?
(少し目を細めて見てください)
ランスの大聖堂はヴォールト天井を支える柱梁をデザインし、
大胆な開口部が美しいです。

今も昔も、石造りも木造の建物も土地に定着し、
重量を伝達するという意味において大きくは変わりません。

もちろん剛の石造建築と靭性に富んだ木造の建築とでは
ある意味で設計プロセスが大きく異なるのですが、
物が土地に定着し、重力に適応しなければならないというテーゼは普遍です。
その「力の流れ」を可視化してデザインしてみたり、
又はその逆で見せないように工夫したりと。
(余談ですが、宇宙進出も進めば新しいテーゼの元に
建築はどんな進化を遂げるのかとても楽しみです)

話を戻すと、この日は大工さんと大事な打合せをしました。

今回のリフォームプランでは既存の柱を抜き、
それ相応の補強をする事により大胆な空間にします。
新たに吹き抜けを造る事もあります。
もちろん事前に設計検討はされているのですが、
机上の計算ばかりではなく大工さんの熟練の経験を頼りに、
相談・解決される事も多いのです。

この大工さんには私には見えない力の流れがピンク色か何かで
見えているに違いないと勘ぐったりもします。

今回は設計と現場、お客様の大切なリフォームを完成させるまでの
想い馳せる一旦をご紹介しました。

設計担当:生田

2015 7/21 8:36 Posted by デザイン・プランニング

自由が丘モデルルームのディテールのこと。

こちらのブログでも度々告知していますが、
クラフトは、これまでとは
テイストの違ったモデルルームをつくりました。

こんな事をやってみたい! といったアイデアは
デザイナーそれぞれが持っていますが、
いざそれを実際につくるとなった時に、
イメージや理想をカタチにできる様に様々な検討、
確認作業が必要です。

その過程を、ごく一部ですがご紹介します。

今回、建具や天井、壁と多くの場所に
框組を採用しています。


この框組も、アンティークのものを参考に再現しては
こちらのモデルルームのコンセプトと違ってしまうし、
かと言って、モダンな空間に合わせてシンプルにアレンジしても
「何だかイメージと違うな…」と思いました。

そこで、アンティークのもの、これまでつくられてきたものに
従いながらも、細かな部分を調整する事で
イメージに合うものを探ることにしました。

まずは、図面を書きながら検討をしますが、
凹凸のあるものですので、どうしてもカタチに
しないとわかりにくい。
そこで原寸の部分模型をつくり、
検討し、最終形を確定しました。


かなり短時間でつくったため
最後はとても粗いものになってしまいましたが、
イメージを掴むことができました。

仕上げ材でも、様々な仕上げを採用しています。

左官はリノベーションサイトでも取り上げていますが、
予め左官職人さんと、
写真で仕上げのイメージの打ち合せ
イメージの共有をしておいて、現場で
サンプル塗りをして、仕上げ方を決めました。

キッチンに採用している壁は金属塗装です。
金属の塗料を厚めに吹き付け削り落とし
磨いてもらうという工程でこちらも
職人さんの細かな手作業でできあがっています。

 

 

モザイクタイルでパターン柄を入れるという事も
やってみています。

どの様な模様が可能なのか、
どうレイアウトするといいのか。

模様が大きめに入っているのがいい。
模様は細かく沢山はいっている方がよい。
細かい模様の中に大きな模様もあるといい。
そんな様々な方向性でいくつも
パターンを作り決定をしていきました。


この図面は最終的に絞り込んだ後のものです。
もっとたくさんのパターンを考えていました。

さて選ばれたのはどれでしょう…。
自由が丘モデルルームで確かめてみてください。

これらは一部ですが、様々な試行錯誤をしながら
モデルルームをつくりました。

お客さまのお住まいをプランするときも
たくさんのパターンをご提案し、
そこから選んでいただくことになります。
皆さまには、この過程をたのしいな
と思っていただけたら、うれしいです。

そしていよいよ本日、自由が丘モデルルームがオープンしました。
たくさんのディテールに、大きな工夫を施しています。
お見逃しのないように!

設計担当:森