坪単価の秘密

不動産に関わる仕事をしていると、様々な数字と向き合うことになります。
価格、面積、築年数、徒歩〇分…
その中でも「坪単価」という数字は実に便利でもあり、
ともすれば数字が独り歩きしやすい厄介なものであります。

「坪単価」は注文住宅について説明をするときに特によく使われる数字です。
当然ながら、お客様の最大の関心事は「家がいくらで建つのか?」です。

お客様「〇〇ハウスで建てると坪いくら?」
私「延床で何坪くらいですか?」
お客様「うーん、わからないけど、大体30坪くらい」
私「2階建ですか?3階建ですか?」
お客様「2階建かな・・・」
私「本体工事で坪70万円くらいです」
お客様「ええーっ、それって高くない?〇〇ホームは50万って言ってたぞ」…

上記ようなやり取りが多く行なわれるのですが、
このやり取りの中だけでも坪単価を左右する要素が3つほど含まれています。

①面積(大きければ単価は下がる)
②階層(2階建<平屋<3階建)
③工法(同じ木造でも2×4やパネル工法はプレハブに近い分コスト安)

まず、①面積については大方予想が付くと思いますが、
面積の大小にかかわらず掛かる固定費があり、例えば面積が大きくなればなるほど
全体に対する固定費の割合は小さくなることから、坪単価は低くなります。
面積が小さければその逆です。

次に②階層ですが、これは屋根と基礎の大きさが坪単価に影響します。
30坪の総2階建の場合は1階2階の面積がそれぞれ15坪ということですから、
屋根と基礎はそれぞれ15坪になりますが、同じく30坪の平屋の場合は
屋根と基礎それぞれ30坪となることから、風雨をしのぐ屋根と建物を支える基礎が
大きくなる分、2階建に対して平屋のほうが費用が掛かります。

 

また、3階建の場合は構造をより強くするために部材が多くなり、
構造計算費用も余分にかかることから平屋以上にコストがかかる可能性がある
と言えます。

最後に③工法の違いについては、同じ木造注文住宅といえども、
在来工法に比べると2×4やパネル工法はある程度の規格が決まっている分、
コストは低くなります。
その反面、自由度も低くなるので、ミリ単位で壁をずらすなどの微調整は苦手と言えます。

このように面積、階層、工法によって坪単価は変化するので、
お客様としてみればご自分にとって都合のいい情報だけを
繋ぎ合わせることができます。

そして、その結果坪単価という便利な数字が先走りをはじめ、
話が進むにつれて「あれ?」ということになりかねないのです。

この他にも、
・敷地と道路との高低差(小運搬費用、擁壁の作り直し…)
・敷地の形状(旗竿敷地に注意)
・前面道路の幅(4tトラックが入れるか?2tトラックだと割高)
・上下水道は引かれているか?
・オプション工事の内容(通常坪単価で示しているのはこだわりの工事がない標準本体工事だけ)
・建物の形状(正方形or長方形)
・総2階建(下屋はないか)?…など

坪単価を左右する要素はたくさんあります。

 

私がお客様に説明していたのは、
「坪単価はあくまで目安です。諸条件によって大きく変わります」
ということです。

あくまで「結果的にこうなった」というだけの数字かもしれません。
あまりに坪単価を気にしすぎることで、当初の資金計画が甘くなってしまうこと、
はじめに詳しい話をしてくれなかったと、
営業マンに対して徐々に不信感が芽生えてしまい、
夢ある住まいづくりが台無しなどということにもなりかねません。

便利な数字ほど使い方とその根拠に注意・・・という話でした。

ワンストップアドバイザー:近藤

2015 10/13 8:33 Posted by 不動産