ワッフルとの再会

リノベーションの現場では、想定外のことがしばしば起こります。
有るはずの基礎が無かったり、無いはずの柱が出てきたり、
壊せない壁が出てきたり、梁が予想よりも大きかったり・・・。

古い物件になればなるほど当時の図面が無い場合が多く、
設計前に詳細な現地調査を行うのですが、
解体してみないと分からない部分が当然出てくるため、
設計段階では経験則に頼った想定をする部分があります。

それらを踏まえた上で上手く料理するのが、デザイナーの腕の見せ所。
しかし、今回はちょっと違う意味でイレギュラーでした。

とあるマンションの一室の何の変哲も無いリビングを解体してみると・・・。

あら不思議?! 格子の天井が出現しました。

これは「ワッフルスラブ」といって小梁を入れないでも比較的大きな床を造れる工法です。
こういう工法があることは知っていましたが、
非常にレアなので現場で目にするのは、もちろん初めてでした。

こちらは当時の図面があったため、あらかじめ把握していたものの、
実際に解体するまで目視できず、そもそも本当に存在するのか、
使えるレベルの物なのか、不安を覚えながらも、使えることを前提に計画を進めました。
直感的に「面白そう!」と思ったからです。
「こんな機会は滅多にないので、絶対に活かしましょう」という提案に、
お客さまも快く乗って下さいました。

それがそのCGです。完成はもう暫く先になります。

ですが、こんなCGを作った手前、もし使えなかったら・・・。
不安を募らせながら、解体後にワッフルを目にした時は、
心の中でガッツポーズしていました。

もちろん想定外なことも待っていました。
格子グリッドが想定よりも半分ほどズレていましたし、
かなりの数の電気配線が顔を出していました。
天井にシンメトリーさを出すために格子の位置補正につき合ってくれた大工さんや
複雑な電気配線の交通整理をしてくれた電気屋さんら現場の協力のお陰で、
完成に近づいています。

昨年パリで食べて美味しかった、チョコレートソースたっぷりのワッフル。
この天井を見るたびに、思い出してしまいました。
久しぶりに再会したような気分です。

設計担当:中野

2014 1/27 9:00 Posted by デザイン・プランニング