ステンドグラス工房へゆく

麗らかな春の日差しを感じられるようになってきましたね。

未曾有の大震災から約一ヶ月。
今、できることを考え、見直し、行動する時間でした。
今、だけで終わらせることなく継続していこうと思います。

今回お伝えするのは、
光を通すと色々な表情を見せてくれる、ステンドグラス。

「ステンドグラスを引き戸に取り入れたい。」と
お客さまからご要望をいただき、
まずは工房を探し始めることから始めました。

一日に幾度も開閉する扉に取り入れるとなれば、
デザインはもちろんのこと、強度が大前提です。
「強度」と「デザイン」。
この2本柱を満たしてくれるプロを求めて
ご相談に乗っていただいたのが、
建築系ステンドパネル製作専門工房の
マリヨステンドグラス」です。

製作をお願いすることになり、
デザインを決める際にはお客さまご自身で、工房に足を運ばれました。
工房のオーナーで、ステンドグラス作家である小林さんが
お客さまと会話を重ねて行く中で、お好きなテイストを感じ取り、
色やテクスチャーなど数あるガラスの中から
的確に素材が選び出されていきました。

素材が決まれば、次はデザイン。
扉からステンドグラスをはめる枠の大きさを決め、
個性あるガラスを、それぞれどの位の面積で、
どのように組み合わせていくか決めていきます。

次の製作工程を見せて戴けるとのことで、
先日、お邪魔して参りました。

小林さんのステンドグラス作品が出迎えてくれる工房は、
広い作業台を中心に、海外から取り寄せられた
様々な色や、テクスチャーのガラスが壁一面ストックされ、
わずかな調節もできるように鉛線製作の機械や、
ガラスの厚みを微調整する電動やすりなどが置かれています。
使い込まれた道具と、整然と整えられた空間に
これから創られるステンドグラスに期待がさらに膨らみます。

ステンドグラス製作工程を、一部写真とともにご紹介させて戴きます。

■ステンドグラス製作工程■
1 デザイン画からおこした実寸サイズの型紙に合わせて
  ガラスをカットします。

 カットされたガラスは型紙と一切のズレがありませんでした。
 さすがです。

2 ガラスをつなぎ合わせる役目の鉛線。鉛は新鮮であればある程よいらしく、
  今回も一番新鮮な鉛を使って鉛線を作られたとのこと。

 パネルの大きさ・デザイン・強度を考えて、鉛線の種類を使い分けするそうです。
 工房で鉛線を作るからこそ出来る技ですね。

3 鉛線を繋ぎにして、ガラスを組み合わせていきます。
  鉛線が交差する部分は、H形の平面部分が少し長くなるよう切り、
  差し込む溝に組み込ませて、さらに強度を強めています。

 鉛線の形を整えるのも、手作業です。

4 鉛線をつなぎ、ガラスを組み合わせていきます。

 ひとつひとつ丁寧、かつ素早く細かい作業が進んでいきます。
 半田ゴテで接着してしまえば隠れてしまうつなぎ目。
 この ひとつ ひとつの手作業が、後の強度に大きく影響しているんですね。
 他にも強度を増すための技法など企業秘密を、惜しげもなく教えていただきました。

5 全てのガラスが鉛線で組み合わせられたら、つなぎ目を半田で接着し、
  慎重に裏返しをして裏面も半田で接着していきいます。

6 ガラスと鉛線の隙間にパテを埋めていきます。

 色々な種類のガラス。厚みにも差があります。

7 その後、パテを硬化させるために寝かせます。
8 硫酸銅で鉛を腐食させ、鉛だけを黒くします。
9 最後に洗剤を使ってきちんと洗い、完成となります。

強度の要となる作業を、見学させて戴きました。
隠れてしまう部分も手を抜かず、丁寧にきちんと製作する。
ひとつ、ひとつ手作業の積み重ねが
美しい扉を創り出していると感じました。

マリヨステンドグラスの小林さまご夫妻、松村さま、ポロンちゃん
この度は貴重な機会を戴きまして誠に有り難うございました。

さて、気になるステンドグラス引き戸。
既にお部屋に入り、竣工されています。
お部屋の空間の中で、どんな表情をもっているか
今後ご紹介できればいいな、と思っております。
それまで どうぞお楽しみにして下さい。

2011 4/7 11:19 Posted by お客様サポート,素材・材料