力の流れ

先日、木造3階建の解体工事現場を訪れました。
何度も訪れた現場でしたが、いざ解体が進むと、
また違った見え方や発見があるものです。

現場は木造軸組工法、築30年弱のお宅です。
写真は、リフォームで必要がなくなる壁の仕上げや床材が
全て取り除かれたスケルトンの状態です。

見上げるとさまざまな部材が交わっており、
上から順に棟木→母屋→垂木→軒桁→柱→土台基礎になります。
これらは雨をしのぎ、雪の重みにも負けない屋根を支え、
強風にも耐える壁を支えています。
それら構造体の間を穿ったように見える窓も印象的です。

冗談みたいな話ですが、
むき出しの架構と床まで届くトップライトの光は
さながら中世の教会建築!


出典:TRIPHUNTER

どうでしょう。
解体現場と「ランスの大聖堂」がある意味でリンクしてきませんか?
(少し目を細めて見てください)
ランスの大聖堂はヴォールト天井を支える柱梁をデザインし、
大胆な開口部が美しいです。

今も昔も、石造りも木造の建物も土地に定着し、
重量を伝達するという意味において大きくは変わりません。

もちろん剛の石造建築と靭性に富んだ木造の建築とでは
ある意味で設計プロセスが大きく異なるのですが、
物が土地に定着し、重力に適応しなければならないというテーゼは普遍です。
その「力の流れ」を可視化してデザインしてみたり、
又はその逆で見せないように工夫したりと。
(余談ですが、宇宙進出も進めば新しいテーゼの元に
建築はどんな進化を遂げるのかとても楽しみです)

話を戻すと、この日は大工さんと大事な打合せをしました。

今回のリフォームプランでは既存の柱を抜き、
それ相応の補強をする事により大胆な空間にします。
新たに吹き抜けを造る事もあります。
もちろん事前に設計検討はされているのですが、
机上の計算ばかりではなく大工さんの熟練の経験を頼りに、
相談・解決される事も多いのです。

この大工さんには私には見えない力の流れがピンク色か何かで
見えているに違いないと勘ぐったりもします。

今回は設計と現場、お客様の大切なリフォームを完成させるまでの
想い馳せる一旦をご紹介しました。

設計担当:生田

2015 7/21 8:36 Posted by デザイン・プランニング